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きものの着方

初心者でも美しく着こなせる、上手な着物の着方をご説明いたします

着物に興味はあるけれども、
「どうやって着たらいいのかわからない…」
「そもそも、どんな物が必要で、何を揃えればいのかわからない…」
そういった御声をよく耳にします。
着物を着るために必要な品物と、実際の着方についてご説明致します。

着姿と各名称
着物の着方をご説明します。こちらは着姿と各名称の説明です
  • 半衿

    長襦袢に掛ける衿。
    長襦袢の汚れを防ぐとともに、装飾的な役割をします。
  • 帯揚げ

    結んだ帯の形を支え、下がらないようにする装飾用の布です。
    帯の上線に少し出る程度ですが、きものと帯の橋渡しをします。帯締めの色目は、きものの中の一色を使うと合わせ易いです。
  • 帯締め

    帯を結んだ後、崩れないように帯の中央に結ぶ紐です。帯締めをつけることにより、全体が締まって見えます。
    色目は、帯の中の一色を使えば合わせ易いです。
  • おはしょり

    着丈より長い分を腰紐でたくし上げた部分です。ここで着丈の調節をします。
    だいたい、帯より人差し指一本分の長さが出ると、格好が良くなります。
  • 衣紋

    首の後ろの衿周りを指す呼び名です。この部分をどれくらい緩めるかを「衣紋を抜く」と表現します。
    襦袢を着る段階で、衣紋をきちんと抜いてあると、きものを来た時に美しく整います。
    長襦袢に『衣紋抜き』という小物をつけておくと着やすくなります。
  • お太鼓

    最も一般的な帯の結び方です。または、お太鼓に結んだ部分そのものを指します。
    お太鼓の高さは、帯枕によって調節ができます。若い方なら高さのある帯枕を用い、年齢に応じて帯枕を低くすると、帯が目立ち過ぎず良いでしょう。
  • 帯山

    帯をお太鼓に結んだ時の、お太鼓の上のラインを指します。
  • たれ

    お太鼓を結ぶときに、帯のお太鼓を作る側のことを言います。
    または、お太鼓の結びの下端8~10cm部分を指します。
    たれの端のことを『たれ先』とも呼びます。
  • たれに対する、帯の反対側のことです。名古屋帯の場合は、半幅になっている側を指します。
    ての幅のことを『て先』と言います。
  • 着丈

    着る人の肩山から裾までの長さを指します。身丈からおはしょり部分の長さを引いたものになります。
    長襦袢を作るときに重要になる長さです。

こうして見ると、漢字の「ころも(衣)へん」が、きものが一般的な衣服であった頃に作られたということがわかって面白いですね。
実際には内側に着るものもありますので、順を追って解説して参ります。


着方の順序

[1] 足袋を履く


最初に足袋なの?と思われた方も多いことでしょう。これにはもちろん理由があります。
きものは、いったん着てしまうと、かがんだり、膝を折ってしゃがむ、という動作が不得手なため、足袋は最初に履いてしまうのが楽なのです。
きものを着るならまずは足袋から、というのを習慣づけてしまうようにしましょう。


[2] 肌襦袢・裾よけを着る


着物の着方をご説明します。こちらは肌襦袢と裾よけの説明です

肌襦袢と裾よけは、肌着に相当するものです。
この組み合わせ以外に、浴衣などでも使用する、ワンピースタイプの「きものスリップ」(図の右側)といったものもありますので、季節や、上に重ねる長襦袢/きものに合わせてお選びください。

また、このタイミングで、必要に応じて補正のためのタオルを身体に巻いておきます。
最近は日本の女性も、海外の方のように、しなやかにくびれたウェストラインをもった方が多くなっていますが、着物はもともとの日本人らしい、いわゆる「寸胴」な体形である方が、着姿が美しくなりますので、ご自身の体形に合わせて使用するようにしましょう。


[3] 長襦袢を着る


長襦袢は、洋服で言うならばブラウスやYシャツにあたります。
襦袢という名前は付いていますが、肌襦袢とは異なり、ある程度「見せる」ことを想定して作られたもので、特に「半襟」と呼ばれる襟口の部分は、TPOに合わせて色や柄の異なるものを付け替えたりもします。

実際にきものを着てしまうと、わずかに覗いて見える程度ではあるものの、このさりげない柄にこだわるのも、きものを着る楽しみの一つでもあるのです。

襦袢を着たら、腰紐(こしひも)を締めます。あまり細いものを使うと、締めすぎた時に苦しくなってしまいますので、幅の広いものを使うようにしましょう。


[4] 伊達締めをする


長襦袢を着たら、伊達締めと呼ばれる、幅広の布を巻きます。
伊達締めは、着崩れを防ぐために使われるもので、衿元も全体も崩れにくくなります。長襦袢の時に1本、きものを着てからさらに1本使用するのが一般的です。

長らく布製のものが使われてきましたが、面ファスナー(マジックテープ)でワンタッチで付け外しできる製品も広まっています。


[5] きものを着る


きものを着る時には、押さえのための腰紐が2~3本必要になります。
代わりに、ウェストベルトと腰紐を1本ずつ使用するのでも構いません。


[6] 伊達締めをする


長襦袢の際にも伊達締めをしましたが、今度はきものを押さえるための伊達締めをします。
きものが正絹でしたら、伊達締めも正絹のものを使用することをお薦めします(きものを傷めないようにするためです)。


[7] 帯板をする


帯板(おびいた)とは、帯の前側にシワが出来ないようにするために使用する、和装ならではの小物です。
ベルト付きの帯板を、帯を締める前に付けておく場合と、帯を巻きながらベルト無しの帯板を挟み込む場合があります。
どちらでも特に構いませんが、帯を自分で締める場合には、ベルト付きのものの方が楽でしょう。


[8] 帯を締める


いよいよ帯本体を締めてゆきます。
この時、帯枕に帯揚げをくるんで付けておくことで、後で帯揚げの出したい部分を調節しやすくなります。


[9] 帯締めを締める


帯が整ったら、きもののオシャレにおける重要なポイントの一つでもある、帯締めを締めます。
結び方を工夫してみたり、飾りのついたものを帯やきものに合わせて選ぶとよいでしょう。


[10] 帯揚げを整える


帯揚げはさりげないおしゃれを演出してくれる、重要なアイテムです。
適当な出し方をしていると、帯周りのバランスが崩れて、残念な着こなし
になってしまいますので、気を抜かないようにきちんと整えておきましょう。




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