基本は一色染めで、遠目には無地に見えるほど細かい柄が特徴です。
遠めからは色合いが楽しめ、近くでみると柄を楽しめる、江戸っ子ならではの粋なおしゃれです。
一人前の型染め師になるには10年
もともとは江戸時代の武士が、裃(かみしも)の模様付けを競い合ったことにはじまり、互いに競い合うなかで模様が細かくなっていったと言われています。
江戸時代には、「定め柄」といって、各藩で裃の紋様は決まっていました。そして、裃にどれだけ細かい紋を入れられるかが「格」とされ、腕のいい型彫師や型染め師を囲っていたそうです。
実際の型紙の一部。軽く引っ張っただけで破けてしまいそうなほどに、非常に細かい模様が連続して彫られています。
人の手ならではの味わい、個性
江戸小紋は、こうした長年受け継がれてきた職人の「技」に、型と型の組み合わせでできる柄や色づかいなどに表れる「粋さ」が融合してできるもの。 最近では機械染めやシルクスクリーン染めにもかかわらず「江戸小紋」と称して売られているものがありますが、本物の江戸小紋には「彫り」と「染め」という人の手ならではの深い味わいがあります。
柿渋で張り合わせた和紙に柄がつくられた道具で、図案の模様を彫っていきます
古くから伊勢の型屋職人が有名ですが、これ自体が芸術品と呼べるのではと思えるほどの細やかな仕事がなされています。
もちごめ粉と米ぬかを混ぜて蒸し、よく練ってから染料を入れ、試し染めをしつつ慎重につくります。
染め上がりの出来栄えを左右する大事なものです。
生地に型紙をのせて、ヘラで目尻糊を置いていきます。
型紙の彫り抜かれた部分だけが染め出されます。
地色の糊が乾かないうちに、摂氏90~100度で15分から30分間蒸します。
糊の中に入っている染料を生地に定着させるための作業です。
蒸しあがった生地を水洗いし、余計な染料や糊を落とします。
伝統的工芸品としての指定を受けるには、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に規定される、下記に掲げた要件を満たしている必要があります。
(「伝統的工芸品」という呼称は、一般によく使われる「伝統工芸品」と区別するために、伝産法により定められたものです)
<指定を受けるための条件>
●主として日常生活の中で使われているものであること
●主要部分が手づくりであること
●伝統的な技術又は技法が守られていること
(東京染小紋は「つくる技術の基本が江戸時代までに完成されている」とされています)
●伝統的に使用されてきた天然の原材料が用いられていること
●製品を作る産地が形成されていること
良質で安い3つの理由
むらたやは、何故良いものを安く提供できるのか?
良質な商品を安くご提供できるのは、3つの理由があります。
一つ目は、卸問屋を介さずにメーカーから直接購入しているから。
二つ目は、「浮き貸し」を行わないから。多くの呉服店では、商品を問屋から借りて、売れた分だけ問屋に代金を支払うという「浮き貸し」という手法を取っています。そのほうが在庫リスクが減らせるからです。でも、むらたやでは浮き貸しを一切行わず、すべて購入して仕入れています。だからこそ、より良いものを吟味していますし、何より、安い価格で仕入れることができます。
三つ目の理由は、島根だから。島根という土地柄、建物の賃料などの固定費が安いため、その分、商品の販売価格も抑えることができます。
このようにして、むらたやでは品質の良さにこだわり、安くて良い品をご提供しております。
最近では着物用のインクジェットプリンターで模様をプリントしたものも「小紋」として売られていることがありますが、むらたやではそのようなプリント物はもちろん扱っておりません。
小紋は、お稽古ごとや街歩き、観劇、友人との食事会など、気軽にカジュアルに楽しめる着物です。
留袖や振袖、訪問着、色無地などのフォーマルな着物に合わせて使われます。
織り帯はちょっとフォーマルに、染め帯はちょっとした外出や普段使いに、幅広く楽しめます。