着物のお手入れ~収納と着用後のお手入れ

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今日は、雨です。
梅雨入りでうっとおしいです。風も強いので傘もあまり役に立ちません。
今日のような天気の日には、絶対に雨コートがいります。

雨コートと道行は一生のうち最低でも2回は作るものだと教えて頂きました。
若い時と年配になってからの2回です。
最近は「着物は着ないからいらない。」
そうおっしゃられる方もいらっしゃいます。聞いていると寂しくなりますね。

しかしながら、ご年配(子供から手がかからなくなって)になられたら
『着物着てみようかしら?』そうお考えの方も増えています。

私のインスタグラムでも週末だけ着物生活とか、着物を着て自撮りをしたり
ご自身の着物と帯そして小物でコーディネイトをして楽しんでいらっしゃる
方が色々といらっしゃいます。

実際、着物に憧れる外人さんのように日本の女性も憧れがあるのだと思います。

但し、「着れない」「管理が大変」「どう合わせたらいいのか分からない」
等々の理由で着物から遠ざかっているのではないでしょうか。

そこで、本日は、管理の方法についてお話しますね。

私どもは、新しくお作りになる方にはパールトーン加工をお薦めしております。


なぜかというと、パールトーン加工には、水撥ね防止にもなるからです。
(今日のように雨がひどい場合はこれには当たらないですが)
水滴をはねて、生地に浸透しないからと言って通気性が悪い訳でもございません。
又、パールトーンをされていると湿気を寄せにくいと言われています。

中央だけパールトーン加工をしてございます。両端は加工がしてありません。
ご覧の通り中央は、水滴が丸く乗っておりますが、両端は水を吸っています。
この様に、水をはじく効果があることから、湿気を寄せにくく生地の狂いが
最小限になると。(絶対ではございません)が言えます。

着物と帯の保管について

《場所》
乾燥した部屋が好ましい。又、気温が一定するような部屋が望ましい。
冷暖房を繰り返す居間などは、温度が変化するので好ましくないです。
コンクリート造りの場合壁に結露するなど湿気を生じやすいので風通しを
良くして下さい。

《収納》
1、納められた着物の中の厚紙(移動用でずれない為)は、出してください。
空気が通らない為変色やカビが発生しやすくなります。
2、におい袋やウールの腰ひも・ゴム製ベルトなどは、別の引き出しに保管する。
酸化窒素ガスに変化すると黄色い物質が発生し黄変します。
3、防虫剤、乾燥剤は、直接着物に触れないようにして下さい。又、必ず1種類の
防虫乾燥剤にして下さい。
混用したり多量使用すると酸化してシミの原因になります。

4、本来は虫干しをしたほうが良いのですが、どうしてもできない方は、湿気の
少ない良く晴れた日に箪笥を数センチ開けておくだけでも効果がございます。
5、たとう紙に黄色いシミが付き始めたら取り替え時期です。湿気を含んでカビ
の発生原因となります。

簡単にまとめましたが、私が今まで色々な方からお聞きしたり、実際に目にしたりの経験からです。

《お召しになった後のお手入れ》
1、着物は、洋服ほど簡単に洗えないので(正絹)日頃から汚さないようにする。
それは当たり前でお分かりと思います。まずそのために忘れがちなのが
手を洗う事です。手による汚れは侮れません。
着る時、脱ぐとき、片付ける時など。着物に触れる前は必ず洗いましょう。
2、着物を仕舞う前には、必ずほこりを払いましょう。これは、大切なお手入
です。見過ごして放っておくと知らず知らずのうちに汚れとして定着します。
ハンガーに掛けたまま柔らかいブラシかビロードふとんで全体のほこりを
きれいに取ります。特に肩から袖、衿付の縫い目、裾は丁寧に。気づかずに
汚れている箇所があります。気が付いたら、お早めにお近くの呉服屋さん
にご相談ください。

もし行きつけの呉服屋さんもなく、どこに行ったらいいのか分からなければ
私共にご相談下さっても構いません。
お電話もしくはこちらに詳細をお書きくださいませ。