立春のお茶会と着物選び|袷の装い・寸法の整え方・名古屋帯と袋帯の違いまで解説

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まだ吐く息は白く、朝の水は冷たい。
けれど暦の上では、春が始まります。

2月4日、立春もすぎました。

冬の名残を抱えながら、それでも春を迎えます。
この“気配の移ろい”を大切にするのが、茶の湯の世界です。

本来の意味と由来

掛物に選ばれるのは「春来草自生」のような一句。
花入には、凛とした白梅や紅梅。
主菓子には、ほころび始めた蕾の意匠。

まだ寒い。けれど、春は確かに来ている。

立春のお茶会とは、季節を先取りするのではなく、
季節の“兆し”をいただくひとときなのです。

その場に身を置く私たちの装いもまた、ほんの少しだけ春を含ませ
ることで、茶席の空気と静かに響き合います。

「三寒四温」今はそんな時期です。寒い日が続いたかと思うと暖か
い日が来ます。

日本では、本来の冬ではなく冬の終わりから春先にかけての、寒暖差
が大きい時期に冬から春への周期的な気候を指し使われることが多く、
春の訪れを感じさせる気候を表す言葉として定着しています。
「寒の戻り」や「花冷え」なども使われます。あいさつ文によく見ます。

2月の茶会、着物は袷で・・・・・

立春の茶会は袷です。

暦は春でも、気候はまだ冬。
無理に軽やかさを求める必要はありません。

けれど色や意匠で、ほんの少し春を感じさせる。

例えば、

・灰桜や薄柳などのやわらかな地色

・梅や早春草花の控えめな文様

・帯締めに淡い藤色や若草色を一点

“春を語りすぎない”ことが、二月の美しさです。

春らしいお色や柄、小物を使われた時、帯は少し四季を感じさせない
ものを持ってこられると宜しいかと思います。全体が春らしくなると
まだ、寒いと感じる日には先取りすぎるかと・・・・も思えます。


イメージをチャットGPTに作って貰いました。
着物のお色が少し濃いですがそして小紋の柄が見えませんがイメージは
こんな感じです。

合わせた帯は
特選 板場友禅 九寸名古屋帯 正絹 染帯
【世界最大級 野蚕繭 アタカス糸・与那国蚕使用】

上質な正絹紬地にさらりとした風合いで染め上げられています。
全体を板で張り、段ごとに異なる文様が描かれており、鳳凰の段、唐華の段
唐草、忍冬など、格式のある古典柄をふんだんに配しています。全通柄です
ので、どの部分を出しても美しく結べます。

お色は爽やかなブルー系を基調としグレーやグリーンが入ったエスニック調
の雰囲気を感じさせるそして、古典的な気品を併せ持つオシャレなデザイン
となっています。


イメージが分かるようにとチャットGPTに画像を作って貰いました。
合わせた帯は

上品で格式ある和装アイテム しなやかに織り上げられたオフホワイトの
帯地に、伝統的な「松」「竹」「梅」の図柄が唐草模様の上に美しくあし
らわれた特選九寸名古屋帯です。上品で格式高いデザインに仕上げられ
ています。お茶席、観劇、会食など幅広いシーンで活躍し、上質な和装
コーディネートでしあげます。。

立春の茶席で避けたい装い例

立春は春の始まりとはいえ、まだ二月上旬。
季節の“境目”にあたる時期です。

だからこそ、少しだけ気をつけたい装いもあります。


■ あまりに軽すぎる装い

暦が春だからといって、袷でも単衣のような軽やかな印象の装いは、季節感と
して少し先取りになってしまいます。

寒さの中に春を感じることが、立春の本質です。地色も大切です。生地の重みを
感じさせる柄行きもよいお着物には欲しい所です。


■ 金銀が前面に出すぎる帯

改まった席で袋帯を締める場合でも、全面に金糸銀糸が強く出る豪華な意匠は、
やや華やかすぎることがあります。
(出席するお茶席によります)

二月の茶席は、まだ空気が澄み、静けさの残る季節です。

光沢は抑えめに、落ち着きのある配色を選ぶと全体が整います。


■ 季節を急ぎすぎる色選び

明るい菜の花色や若草色は春らしく美しい色です。

けれど全体を一気に春色にしてしまうと、少し浮いてしまうこともあります。

地色は落ち着きを残し、小物で春を添える。

それが立春らしい上品な装いです。


立春は「変わる瞬間」の季節です。冬でもなく、春でもない。

一年の始まりです。正解は一つではありません。

冬でも春でもない、その曖昧さを楽しむことができれば、装いは自然と

整います。季節をほんの少し意識するだけで、茶席での佇まいは大きく

変わります。


着物を作りたいけど不安 ― 寸法が・・・・・

帯は比較的気軽に選ばれます。(寸法を気にせず)

しかし着物となると、多くの方が足を止められます。

「寸法があるからです。」

これは本当によくあるご相談です。

・測るのが難しそう
・一度決めたら変えられないのでは
・失敗したらどうしよう
・センチでいいの?
・何処を測ったらいいのか分からない
・一枚も持っていないからどうすればいいのか分からない。

などなどと色々なご相談もいただきます。

寸法が決まるまでが(わかるまで)とても重要で何度かメールでやり取りを
させて頂きます。その上でこちらがある程度の寸法をご提示し、ご相談の上
で決めて頂きます。(最終結論を出して頂くという意味です)
それから、袷ですとお色を決めたりも致します。(これは同時にできます)

確かに、最初は少し手間です。

ですが一度きちんと寸法を整えれば、その後は何度でも同じ寸法でお仕立
てが可能です。

寸法は“面倒な作業”ではなく、“ご自身の財産”(少し大げさですが)。
体型さえ変わらなければ寸法が決まればずっとその寸法のままで大丈夫です。

数キロ太っても着物は融通がききますので少々は大丈夫です。
ただ、長襦袢と着物が合わなければ問題がございます。肩幅は同寸が常識
です。

測るのが面倒な方は一番着やすいお着物を送ってこられます。
それと同じ寸法で縫って欲しいと言われて・・・・・
ただ、年数が経っていると袖丈が一分や二分縮んでいたりする場合がご
ざいます。その場合は一応メールでお伺いをいたします。袖丈と裄は取り
返しがつかなくなるので一応念押しでお聞きします。身丈の一分や二分は
着用にはほぼ問題は無いかと思います。

 

茶席では、

・衿の抜け具合
・裾さばき
・座ったときの安定感

これらは寸法で大きく変わります。

実際に「襦袢から縫い直しました」という方もいらっしゃいます。
長襦袢が整うと、着姿全体が落ち着きます。

立春という節目は、寸法を整えるにも良い時期です。

着物の寸法・お仕立てについて詳しくはこちら

繰り越しも必要です。

実際測るのに一番難しいのが繰り越しと思います。
次に裄かと・・・・・

繰り越しについては概ね5分~8分の方が多いです。たまに1寸という
方もいらっしゃいます。

裄は肩幅と袖幅を足した長さが裄となります。
ご心配の方は袖幅と肩幅を分けて測り、もう一度裄全体の長さを測って
みられたら宜しいかと思います。(㎝で構いません)
肩幅+袖幅=裄 となれば間違いはないと思います。


名古屋帯と袋帯の違い|

  • 名古屋帯 : 約3.6m前後と袋帯に比べて短いです。お太鼓が一つですので
    その分だけは短いといえます。「一重太鼓」といいます。小紋や気軽な着物

立春の茶会ではどう選ぶ?

名古屋帯 ― 春の兆しをやわらかく

大寄せ茶会やお稽古には名古屋帯が最適です。

例えば

【染帯 白地 雪月花文様 お太鼓柄 名古屋帯】

白地に描かれた雪月花文様。
冬の名残と春の気配を併せ持つ意匠は、まさに立春の茶会に相応しい一本です。

着物姿において、後ろ姿はその方の美意識を語ります。

特にお茶会や趣味の集まりでは、華美すぎず、しかし格を失わない装いが求められます。
そのような場にふさわしい一本が、この白地の染帯「雪月花文様」のお太鼓柄です。

地色は清らかな白。
しかし素無地ではなく、織りによる地紋が美しく浮かび上がる紋意匠生地を使用しています。

白地の帯は「合わせやすい」と言われますが、実際には生地選びが重要です。
紋意匠を用いることで、白でありながら奥行きと品格を兼ね備えた仕上がりとなっております。

やわらかな袷小紋や江戸小紋に合わせることで、上品で静かな春の装いになります。

こちらは
草木下染め着尺紬「いぶき」お茶などのお稽古、観劇に【帯屋捨松】西陣織
八寸名古屋帯 ベンガル花文(空色)

イメージが湧きやすいようにチャットGPTに作って貰いました。

草木下染め着尺紬「いぶき」

紬の無地と言えます。地紋は経糸と緯糸で細やかな地紋を織りなしています。
「いぶき」と名を付けています。草木下染めで使用した植物はキク科の「蓬」
です。グレーのように見えますがほのかにグリーンが入った生地となっており
ます。

帯は【帯屋捨松】西陣織 八寸名古屋帯 ベンガル花文(百群色ブルー)


澄み渡る白群色と空色の間の地色に、異国情緒を感じさせる「ベンガル花文」
を織り表しました。ベンガル花文とは、エキゾチックな雰囲気を持つ華やかな            花模様。多彩な色糸を用いながらも、決して華美に走らない絶妙な配色です。
捨松ならではの意匠力の賜物です。

※着物が紬ですので正式なお茶会には不向きかと思いますが、気軽な茶会や
春にある花見に合わせてのどなたでも参加できる茶会などにどうぞ。
趣味の会で是非どうぞ。

立春の茶会におすすめの名古屋帯一覧はこちら
“立春の茶会におすすめ”という文


袋帯 ― 格を整える

改まった席や招待茶事では袋帯を。
袋帯 : 約4.2〜4.5mと長いです。お太鼓が二重結ぶためでもあります。
いわゆる「二重太鼓」です。おめでたいお席や格のある着物に合わせます。

★礼装・フォーマル用。結婚式、披露宴、成人式、卒業式など。金糸・銀糸
の入った華やかな柄が多い。

【西陣織 蒔絵 鳳凰桐菊文 袋帯】

蒔絵の気品を帯に映した逸品。
鳳凰や桐菊の格調高い文様は、春の節目の茶席にもふさわしい存在感です。

チャットGPTに作って貰いました着物の柄が多少違っていますがイメージは
分かってもらえるかと思います。

ぼかし染めされた地が美し訪問着です。落ち着いた綺麗なブルーお色を使っ
てございます。人とは違う雰囲気のおきものをお探しの方にお薦めです。
牡丹を抽象化したような花[唐花]で花・茎・葉を刺繍で施しています。豪華
さもあり上品さも兼ね備えていますので、より一層貴方様をお引き立てでき
るお召し物です。又、白場がございますので、帯も合わせやすくTPOにあっ
たコーディネイトで楽しめます。

意匠について|蒔絵 鳳凰桐菊文の魅力

本作の意匠は、蒔絵を思わせる繊細な輝きと奥行きを、西陣織ならではの多彩な織組織で表現しています。

  • 鳳凰:平和と繁栄を象徴する瑞鳥

  • :高貴さと品格の象徴

  • :長寿・不老不死を意味する吉祥文様

これらを重ね合わせた文様構成は、お慶びの席・改まった茶席・式典などに最適で、時代や流行に左右されない普遍的な美を感じさせます。

付け下げや色無地に合わせることで、格を保ちながらも重くなりすぎない装いになります。

芙蓉帯について|登録商標を持つ名作帯

「芙蓉帯(ふようおび)」は、その名の通り、華やかさの中に気品を宿した意匠で知られ、長年にわたり多くの着物愛好家・茶人から支持されてきた帯のシリーズです。

本品には
登録商標 第2018930号「芙蓉」
が正式に記されており、商標登録を取得した正規のお品であることが明確です。

現在市場に出回る芙蓉帯の多くは後継メーカーによるものですが、
森本織物が自ら製織したオリジナル芙蓉帯は、希少価値の高いコレクターズピースとも言える存在です。

特選正絹西陣織袋帯 【大庄謹製】 灰紫色・モザイク文様

しなやかな帯地は灰紫色で光沢感があります。金や銀、またブロンズ色など
の落ち着いた華やかさのある色目の糸で、モザイク文様が織り上げられてい
ます。柄は季節を選ばない柄です。


商品の特徴

  • 西陣織ならではの格調高い光沢と立体感

  • 蒔絵調の表現による、奥行きのある華やぎ

  • 古典文様でありながら現代の装いにも映えるデザイン

  • フォーマルからセミフォーマルまで幅広く対応

格調ある西陣織袋帯はこちら

西陣織袋帯【京藝謹製】「珠宝 正倉院文様」

地色は金彩を含んだ品のある黒地です。その中に豪華なムードで織り描かれた
正倉院文様の連珠柄が、いっそう、この袋帯に品格を添えてくれます。 流行も
ない柄ですので、末永くお使い頂けるひと品です。 礼装用として、色留袖、訪
問着、付下げなどと合わせられます。

雰囲気をご覧いただくためにチャットGPTに作って貰いました。

高級訪問着 正絹[絞りと花染め・大㐂百花]

NHKの大河に衣装提供をしている 青柳 謹製 の品です。それぞれの
技術に逸脱した方々が伝統を受け継ぎ、情熱をもって自然の息吹を積み
重ね一枚のきものに仕上げました。紋意匠に様々な技法の絞りを巧みに
使い描いた柄は、さすがです。染と絞りと手描きと箔と刺繍の技が素晴
らしい訪問着です。

特選西陣織袋帯【京藝謹製】「白眉・吉祥文様尽くし」

お色は綺麗なクリーム色で柄は古典的ですので、長くお締め頂けるお品です。
鳳凰や華文や菊・松・桜などを施してバランスよく仕上げています。各柄の
パーツを組み合わせてできた洗練された柄行となっており、色々な色の糸を
使っていますので無地でも色々なお色が選べます。付け下げや訪問着に合わ
せても、留袖、色留袖に合わせても上品にお召いただけます。


袋帯の「オランダ線」とは?歴史の名残

袋帯について語る際、時折耳にするのが「オランダ線」という言葉です。

  

  オランダ線または界切線↗

■ 場所と役割

オランダ線は、界切線(織り出し線)のすぐ上に位置します。
主に袋帯の柄の終わりや、仕立て時の折り返しの目安となる線です。

界切線とオランダ線の間を「たれ先」と呼びます。

■ 名称の由来

江戸時代、オランダ船が運んだ「唐桟縞(とうざんじま)」という細かな縦縞
の木綿布に似ていたことから名付けられたとされています。

■ 仕立てとの関係

通常、界切線とオランダ線の間は折り込まれ、外からは見えません。

現在主流の「関東仕立て」では、特に指定しなければ内側に折り込まれます。

また、現代の袋帯ではこの線自体が存在しないものも多くなっています。

■ 用途

西陣織などでは、この部分にブランドロゴや織元名(落款)が隠されることも
あります。

オランダ線は、帯の歴史的な名残を示す要素。
しかし近年ではほとんど意識されず、仕立ての際に使われない言葉となり
つつあります。

いわば“死語”に近い存在です。

知らなくても困ることはありません。

けれど、こうした言葉を知ることで、帯が持つ時間の重なりを感じることが
できます。


経験者の方へ

長く着物を楽しまれている方は、

・寸法を把握され
・格を理解し
・色の差異も見極められる

そのため、ご相談は具体的です。

「お色は具体的に・・・・・・」
「八掛は〇〇番ですとどうですか?」

画面では分かりにくい部分だけを確認されます。

情報は多すぎなくてよのですが、誠意をもってきちんとした
対応が逆に必要。お着物をご存じというだけあって誤魔化しは
ききません。(するつもりもございませんが)

本当に必要なことだけで十分な代わりにこちらもそれだけ詳しくないと
ダメと思います。


立春は、整える季節

・もう一枚仕立てたい
・寸法を見直したい
・格を整えたい

そう思ったときが、最良の時。

立春は一年のはじまり。

着物を知ることは、自分を知ることでもあります。

寸法は一度整えれば、一生の味方になります。

帯の歴史を知れば、装いはさらに深まります。

春は、目に見える前に、心に訪れます。

立春が過ぎその後の茶会に向けて、
静かに、整えてみませんか。