10月からの袷の着物と帯 ― お茶会にふさわしい装いのすすめ

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袷の季節がもたらすお茶会の楽しみ

10月に入り、空気が澄んで日中は過ごしやすく、朝夕にはひんやりとした風を感じる季節になってきました。着物の世界では、この時期から「袷(あわせ)」を着られる時期となっています。いわゆる裏地付きの仕立ての着物です。(胴裏と八掛付き)その着物をきるのが基本です。春と秋、まさに四季の移ろいを味わえる時期に活躍する袷は、着物に奥行きと風格を与えてくれる存在です。

特に10月からは茶道の世界でも、お茶会が盛んに行われるシーズンに入ります。秋の草花をテーマにした茶席、月見の趣向を凝らした茶事、または社中での研究会など、さまざまな形のお茶会が予定されている方も多いでしょう。その際に悩むのが「お茶会にふさわしい着物と帯の選び方」です。
最近は暑いので悩む方が多いです。「汗をかきながらお点前をされる。」「お運びも
です」お着物を着られる時が増えるのはうれしい響きですが工夫が必要。それが皆様、悩みの種です。そしてお抹茶のお値段の高騰。倍のお値段になっているから貴重といわれています。

特選西陣織九寸名古屋帯【白綾苑大庭謹製】

お月見にふさわしい、又、秋に最適な名古屋帯です。
源氏香と秋草で9月の単衣から袷の時期まで長くお締め頂ける名古屋帯です。
しゃれ感もあり流行に左右されない古典柄ですのです。きもの通のお客様
からも定評がございます。

西陣織九寸名古屋帯 【佐々木染織謹製】「黒地に菱の中にウサギや菊」

こちらもこれから締めるには丁度いい帯です。柄が物語っています。
上の帯よりお値段は下がりますが、だからこそちょっとした時に使って頂き
たいそんな帯です。

お茶席にふさわしい装いとは、単に礼儀を重んじ、正しさを守るだけでなく
季節感や場の雰囲気を大切にすることが求められます。華美すぎず、地味す
ぎず、適度な格を備えつつも、自分らしさを表現して着物と帯の組み合わせ
が大切です。それはお茶席の格にもよると思いますが、秋の袷の着物(無地
や訪問着、付け下げ)と西陣織袋帯で合わせると格のあるお席で間違いなく
安心してお召しいただけます。
(無地は紋付できれば抜き紋ですと格は上がります)

この記事では、10月からの袷の着物と帯を中心に、お茶会の装いをテーマにした選び方のポイントを詳しく解説しています。今回私どものお勧めの帯「特選西陣織 袋帯【服部織物 謹製】」を例に取り上げ、実際に茶席でどのような着姿になるのかを具体的にご紹介します。お茶会のご予定がある方や、茶道を始めたばかりで装いに迷われている方に、ぜひお役立ていただければ幸いです。

こちらはAIに頼んで無地と服部織物の袋帯を合わせてもらいました。
イメージは湧きます。たまたまむじがブルー系でしたが違うお色でも合うと思います。グリーンでもピンク系でもイエロー系でもパープル系でも
そんな帯です。

ただやはり帯が不鮮明で何となく似ていますがまるっきりそっくりではないようです。

お太鼓の部分を見ればよく分かります。似てますが違います。雰囲気だけイメージを沸かしてください。


【服部織物謹製】こちらの帯を合わせたつもりなのですがAIが認識がうまくされていないようでそのままその通りにはならなかったようですが、雰囲気は似ています。一つ言うならば画像の方が明るすぎます。

この度お勧めの帯は落ち着いた感じの袋帯です。格もあり服部織物ですので
間違いのないお品です。

紋無しの無地や江戸小紋などに合わせてみました。あくまでイメージです。
こちらはAIに作ってもらいました。板場友禅の名古屋帯ですがこんな感じの雰囲気
になります。着物と合わせるとイメージがいやすいですね。

 板場友禅 九寸名古屋帯 正絹 染帯 【世界最大級 野蚕繭 アタカス糸・与那国蚕使用】

特選「板場友禅 九寸名古屋帯」
鳳凰の段、唐華の段、唐草、忍冬など、格式のある古典柄をふんだんに配しています。全通柄ですので、どの部分を出しても美しく結べ、お一人でのお着付けにも大変便利です。上品なピンクのお着物に合わせてみました
※上の女性が着用している画像はAIが作ってくれました。

こちらは私が合わせたのですが両方紬に合わせています。染帯ですので紬のお色と合っているので結構いいコーデと思っています。こちらの紬は紬らしくない節のない紬です黄八丈の織り方で織られた紬です。

気軽に研修会やコンサートなどにどうぞ。


お茶会と袷の着物

袷とは何か

「袷(あわせ)」とは、表地と裏地を合わせて仕立てた着物のことです。単衣(ひとえ)の軽やかさに比べて、袷はしっかりとした重みと格式を感じさせる仕立てとなります。季節の区切りとしては、10月から5月までが袷の時期とされており、秋から春にかけて最も着用の機会が多い着物です。

お茶会は「おもてなしの場」であると同時に、主客が一体となって季節を楽しむ行事です。そのため、袷の着物は秋の茶席にふさわしい存在感を持ち、相手に礼を尽くす姿勢を表現できます。特にお茶をされている方は季節やしきたりに厳しいです。今更でしょうが、なぜか合わせと単衣のお着物のご質問や袋帯と名古屋帯のご質問が多いのです。

考えてみれば普段から接している私どもは当たり前と思っていても当たり前が当たり前ではなくなっているのだなぁ~。と でも聞いてくださるのは嬉しいことです。着物に興味があるということなのですから。

どんどん質問してほしい所です。一応サイトの方に簡単に袋帯と名古屋帯どう違うのかを書いてございます。
袋帯について

名古屋帯について

茶席にふさわしい袷の着物の種類

お茶会で着用される袷の着物にはいくつかの代表的な種類があります。

  • 色無地
    無地染めでありながら一つ紋や三つ紋を付けることで格式が上がります。格を求められる正式なお茶会に最も安心して着られる一枚です。紋でも抜き紋と縫い紋がございます。抜き紋が格がございます。
    (黒留や喪服は白抜き紋です)

  • 付け下げ
    柄が控えめに配された付け下げは、華やかすぎず、落ち着いた雰囲気を演出できます。改まったお茶会から少しカジュアルなお席まで幅広く対応可能です。

  • 訪問着
    柄付けが豪華で格も高いため、大寄せのお茶会や華やかな場にふさわしい着物です。季節の柄を取り入れることで、茶席全体に華を添えられます。

  • 江戸小紋
    細かな柄が一面に施された江戸小紋も、お茶席で人気のある選択肢です。遠目には無地に見えつつ、近くで見ると趣のある文様が広がるため、控えめながら上品さを表現できます。

季節の柄とTPO

お茶会における袷の着物選びでは、柄の季節感も重要です。秋の代表的な文様には、菊、紅葉、秋草、流水文様などがあります。これらの柄を取り入れることで、茶席に調和した装いとなります。全く関係のない柄を使ったお着物でも問題ございません。

きものむらたやでは「家内安全」という文字を施してある江戸小紋がございます。
しゃれっ気があって流石江戸っ子てな感じでしょうか。

生地はもちろん高級浜ちりめんを使用しています。型彫り、染め付け、全ての工程を手作業で行っているため、着物になってお召し頂いたとき、色の濃淡が微妙にあらわれ深みを感じます。シンプルな柄行きゆえに、帯のとりあわせも幅広く、合わせる帯によってお茶席からお祝い事、また観劇やお友達とのお遊びにとTPOの広さでは大変便利なお着物です。

また柄の中に細かく「家内安全」という文字が美術的にアレンジされたお品でございます。

本来は、10月であれば菊柄や秋草模様、11月には紅葉文様や流水文様を選ぶと季節に合うでしょう。お茶会は、時間・場所・場面(TPO)に応じて装いを整えることが大切ですので、柄の選び方一つで印象が大きく変わります。先ほどお勧めしました江戸小紋はまた一つのしゃれっ気のある着物で無地感と思い帯で季節を表現されると宜しいかと思います。


袋帯の魅力と格

袋帯と名古屋帯の違い

お茶会で「帯をどうするか」に迷う方は多いのではないでしょうか。袋帯と名古屋帯はどちらも茶席で用いられますが、その役割には違いがあります。

  • 袋帯:二重太鼓を結ぶことができ、格が高い帯。正式なお茶会や格式ある席での装いに最適。

  • 名古屋帯:一重太鼓が基本。軽やかで扱いやすく、稽古や気軽なお茶会におすすめ。

名古屋帯でも格のある帯もございます。その場合は付け下げには結べるのではと思います。ただ、さすがに訪問着は難しいと思います。対して名古屋帯が軽すぎるかと思うのです。

このように、袋帯は「格」を意識したお茶会において頼れる存在です。

西陣織の伝統と価値

袋帯の中でも、西陣織は特に高く評価されています。京都・西陣で織られる帯は、緻密で美しい文様、豊かな色彩、そして格式ある織の技術によって、長く愛されてきました。

西陣織の袋帯は、ただ身に着けるだけで「きちんとした装い」という安心感を与えてくれます。特にお茶会では、主催者や他の参加者に対しても礼を尽くす表現となり、安心して身につけられるのが魅力です。

最近楽で結びやすく芯も入れなくていいから博多帯が流行っています。
お稽古やお遊びには良いでしょう。ですが正式な場には流石に軽すぎるかも。
良い帯が揃っているんです。大倉織物謹製の誠之輔の帯はハリがあり昔の博多帯の感覚を一掃してくれる存在です。

特選博多織紋八寸名古屋帯【本場筑前博多琥珀織 大倉織物謹製・誠之輔ブランド】

小さな菱重ねの模様がびっしりと並び、菱の中には十字の形が織り込まれて
います。とても立体的に見える不思議な織りです。本絹の糸だけで織られ
とてもしっかりとした打ち込みで、手に触れていても心地良く独特の美しさ
がございます。銀色寄りの白の色でそれがまた上品に映ります。
パールのような光沢が大変魅力的帯となっております。


特選西陣織 袋帯【服部織物 謹製】

服部織物の歴史と格

服部織物は、西陣の中でも歴史ある機屋のひとつです。精緻な織りと品格ある意匠を得意とし、多くの茶人や着物愛好家に支持されてきました。その帯は、格式と芸術性を兼ね備えており、茶席という特別な場に最適です。

意匠や織りの特徴

特選西陣織 袋帯【服部織物 謹製】は、精緻な文様と上品な色彩が特徴です。唐花文様や鳳凰などの意匠は、荘厳でありながら華やかすぎず、お茶席での品位を保ちながら装いを引き立てます。織りの細やかさは、職人の技の結晶であり、長く愛用できる価値ある一本です。

茶席での着姿イメージ

例えば、淡い色合いの付け下げや江戸小紋に、この袋帯を合わせれば、すっきりと上品な印象にまとまります。格式のある茶会や、お正月の初釜などにもふさわしい組み合わせです。帯そのものが格を備えているため、着物が控えめでも全体の格を引き上げてくれるのが大きな魅力です。

京都・西陣の老舗として名高い 服部織物 謹製の袋帯 が入荷いたしました。
今回ご紹介するのは、格調高い 特選 西陣織 袋帯「手織 こはく錦 立浪四季花丸文様」 です。

西陣織の中でも「こはく錦」は、細やかな織りと深みのある光沢が特徴で、礼装用として非常に高い評価を得ています。
四季折々の花々を丸文に配し、立浪文様とともに織り込んだ意匠は、優雅さと華やぎを兼ね備え、どの場面でも気品ある装いを演出します。

訪問着、付け下げ、色無地はもちろん、黒留袖や色留袖にも合わせていただける万能な一本。
フォーマルなお茶会、結婚式、パーティー、各種式典など、格式あるシーンに最適な袋帯です。

正統派の美しさを大切にされる方にぜひおすすめしたい逸品。
長くご愛用いただける「一生ものの帯」として、ご自分用にはもちろん、お祝いの贈り物にもふさわしい帯です。


(※特選 西陣織 袋帯 【服部織物 謹製】


気軽なお茶会におすすめの着物と帯

茶道には格式高いお茶事だけでなく、稽古や研究会、気軽な茶会など、さまざまな場があります。そうした場では、もう少し軽やかな装いも選択できます。

  • 紬と名古屋帯
    カジュアル寄りの紬に名古屋帯を合わせることで、稽古や気軽な茶会にぴったりのスタイルになります。

     

  • 小紋と染め帯
    季節の柄を取り入れた小紋に染め帯を合わせると、親しみやすさと季節感を表現できます。

    江戸小紋 草木染 正絹 着物 濃藍色 流水短冊万筋

万筋に短冊の柄又その短冊の中に江戸小紋柄がいっぱい施されています。
着物に仕立てるとオシャレで粋ですがおしとやかな感じのするお着物に
なると思います。

寿光織の飛び柄小紋
無地感としてもお召しいただけるので便利なお品です。
お茶を習い始めの方で気軽なお茶会がデビューの方などには最適ではないで
しょうか。

霞に月紋の小紋

霞とつくので春をイメージされる方が多いかと思います。
だからこそ月と一緒に施されているのかと思います。お色は秋からの
イメージですですが霞だけでは春を印象付けてしまいます。だから作者は
月も施しスリーシーズン合わせられるように柄を付けたのだと思います。

長く着用できるお着物です。

茶道を学び始めた方や、お茶席に慣れていない方にとっても、気軽なお茶会は良い実践の場です。その際に無理をして袋帯を締める必要はなく、自分の段階に合わせた装いを楽しむことが大切です。


袷の季節に押さえたいコーディネートの工夫

色合わせのポイント

秋は深みのある色彩が似合う季節です。臙脂(えんじ)、深緑、紺、紫といった落ち着いた色合いをベースにすると、季節感が際立ちます。

帯揚げ・帯締めで季節感を出す

着物と帯が控えめな組み合わせであっても、小物で季節感を演出できます。紅葉色の帯揚げや、渋みのある金茶色の帯締めなどを合わせると、全体が引き締まります。

羽織や道行とのバランス

秋が深まると、防寒のために羽織や道行を重ねる機会も増えます。全体の調和を意識しつつ、季節に合った素材感や色味を選ぶと、より洗練された印象になります。

スリーシーズン・シルクリボンコート(真冬以外)奄美大島本泥染技法

オシャレな感じのコートになると思います。真冬はさすがに難しいでしょうが
それ以外でしたら着用できます。帯付けで出かけるのはと気が引ける方には
最高なお品ではないでしょうか。


まとめとご案内

10月から始まる袷の季節は、茶席に最もふさわしい着物の時期です。格式ある
お茶会には「袷の着物+西陣織の袋帯」、稽古や気軽なお茶会には「紬や小紋
+名古屋帯」といったように、TPOに応じて選ぶことで安心してお茶席を楽し
むことができます。

特に、特選西陣織 袋帯【服部織物 謹製】は、茶席にふさわしい格と品格を備
えた逸品です。秋の袷の着物に合わせていただければ、最高に素晴らしい合わ
せ方となりお茶会にはこれ上ない合わせ方となると思います。

当店の商品ページでは、実際の写真や詳細をご覧いただけますと他にもお茶席向きの袋帯が多数載っております。ぜひチェックしてみてください。

→ 【袋帯のページリンク

袷の季節です。
そしてお茶会のひとときを、お着物と帯で合わせてお楽しみくださいませ。

夏から単衣へ ― 季節の移ろいとお茶会の着物選び

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1. 季節の変わり目と着物の楽しみ

日本の着物文化は、四季の移ろいを細やかに反映してきました。夏の盛りを過ぎ、少しずつ空気が澄みはじめる9月は、着物にとっても大きな変化の時期です。袷の着物にはまだ早いけれど、盛夏の透けるような絽や紗では少し涼しすぎる―そんな端境期にぴったりなのが「単衣(ひとえ)」の着物です。

単衣とは裏地をつけない仕立ての着物で、見た目は袷に近く、それでいて軽やか。暑さの残る9月から、秋本番を迎える10月上旬頃までを快適に過ごせる装いとして重宝されます。茶道の世界でも、この季節感は大切にされ、茶席の雰囲気を左右します。

夏のきらめくお茶会とはまた違い、単衣の時期は落ち着いた風情が漂います。涼やかさの中にほんのりとした秋の気配を映すことで、お茶会全体の雰囲気も変わってくるのです。

ただ、最近季節の変わり目が暑く着物の楽しみ方も変わってきています。
きものは透ける着物から透けない着物に移り変わって来るでしょうが、帯は軽くて
上品で格のある袋帯がお茶席には好まれます。

逆にお稽古となると八寸の博多帯が重宝されています。
そもそもが博多織の帯はオールシーズン締められるというのが売りで作られていました。裏地もなく芯もございません。かがるだけです。でも縦糸が多いのでしっかりとしていて張りがございます。
だからお茶の先生に好評のようです。

また、オシャレ帯に粋に結ぶことが出来る帯です。シンプルな帯ですので関西、関東とどちらにも好まれる帯に生まれ変わりました。

                         ⇓

イメージ画像です(着用の雰囲気)帯は勝手なイメージです。

正絹小紋 京染め[紋意匠に葡萄唐草文様]

紋意匠生地に葡萄唐草文様をバランスよく描き上品に仕上げました。葡萄の葉を染め疋田(絞りの模様を染色で表現したもの)で描いたり、縁取りに金を使って柄を目立たせて全体に流れのある柄ゆきにしてございます。

本来は、お色が淡いので4月から5月くらいが良いのかと思っていましたが、このように暑い日が続きますと秋でも淡いお色をお召しになられても宜しいのかと思います。

九寸名古屋帯 (正絹)【帯屋捨松 謹製】「忍冬唐草文・パープル地・六通」

優しくて気品のある神秘的な紫を地色にお柄は「忍冬唐草文」で お柄は上品にまとめてございます。お着物に対して邪魔をせず尚且つ趣味性を漂う、洗練された表情をしていますので、ひと味違う着物姿を演出してくれる逸品の帯です。

上の飛び柄小紋と合います。
上品で着こなせます。気軽なお茶会はもちろんですが、ちょっとした会合やお茶会にお勧めです。

正絹小紋 京染め[紋意匠に華文様/Japanblue]

丹後ちりめんを使用し、三種類の唐華華文をとび柄であしらっています。華のある上品で控えめ過ぎず主張しすぎずといった感じの柄となっております。JAPAN蒼blueの企画お品ですので品よくまとまっていてきれいなブルーのお色が特徴です。

 

 

2. 夏物から単衣への橋渡し

夏の着物といえば、絽・紗・麻といった透け感のある生地が中心です。帯も羅や絽の織帯、紗献上などが好まれ、風が抜けるような涼やかさを演出します。

しかし9月に入ると、透け感の強い素材は季節外れの印象になります。代わって単衣の紬や小紋、御召、さらには控えめな付け下げなどが登場します。生地感はしっかりしていても裏地がないため、軽やかで快適。帯も夏用から切り替え、博多織や縮緬地の名古屋帯、洒落袋帯へと移行していきます。

また、小物使いも季節を映す大切なポイントです。夏は白や水色といった涼感のある帯揚げや帯締めが中心でしたが、単衣の頃には藤色や浅葱色、薄茶や芥子色など、秋草を連想させる色を取り入れるとぐっと雰囲気が変わります。

特選板場友禅染帯九寸名古屋帯 【幾何学模様】

全体を板で張り幾何学模様で染めてございます。四角の柄で丁寧に銀で縁取っております。全通ですのでどこを出されても良いですのでお一人でお召しになる時も便利です。また、お色が爽やかですので無地やとび柄小紋、江戸小紋などに合わせられても宜しいかと思います。

特選袋帯【老舗問屋の特別企画】お茶席やおめでたいお席や改まったお席

こだわりがあり、帯地の裏も表地と同じで柄も一目では分からない感じがいたします。波打ち際に「鶴」そして「松」が施されています。とても面白い図柄と思います。昨今ではあまり見かけないお品です。こちらは着物を作るのが主で帯は珍しいと言われています。昔は、映画の撮影で着物を提供していたとお聞きしています。

京染め[型染め・とび柄]
合わせている帯は
西陣織八寸名古屋帯【安藤謹製】「能衣流水模様・織成なごや」

ひし形の中に唐華を配した模様で、その菱にも細かい柄がございます。つくりは同じですが、模様のとび具合仕立て方
によって雰囲気が多少変わります。唐華の向きも多少違います。落ち着いたお色ですので、こげ茶系と一般的には言うでしょう。もっとよく見ると、「憲法染め」いわゆる赤みがかった黄色のくらい黒茶色に近いお色ではないでしょうか。
9月の単衣、10月からの袷にはとても良いお品だと思います。

 

 

3. お茶会の種類と装いの目安

お茶会と一口にいっても、その形式や目的によって雰囲気は大きく異なります。格式高いお茶会や茶事では、訪問着や付け下げに袋帯といった正装が基本になりますが、月釜や立礼式、地域で行われる気軽なお茶会では、もう少し柔らかい装いが許されます。

初心者の方が最初から格式高いお茶会に出席するのは緊張するもの。まずは気軽なお茶会で経験を重ねることがおすすめです。この場合、小紋や紬に名古屋帯といった装いでも十分。大切なのは「場にふさわしく」「相手に不快感を与えない」ことです。

特に単衣の時期は、お茶会が増えるシーズンでもあります。夏に浴衣で気軽に参加していた方も、少しずつ単衣の着物に挑戦することで、一歩大人の茶道ファッションへと進むことができます。

先日のゆかた祭りの時の茶会は浴衣の方が殆どでしたがお点前をされて方はきちんと夏のお着物をお召しになられていました。(8月31日のことです)

もう9月ですから今は透けない単衣です。

※帯はイメージ
お色も素敵で優しい感じのする付け下げです。
日本の四季は、人の感受性を豊かにしてくれます。そのような歴史ある文化と共に育まれた『きもの』は、時代が変わっても形は変わらず、柄行や品質にこだわり続け末永くお召いただける日本の民族衣装として生まれてきました。そんなおきものの中の付け下げをお探しの方に自信を持ってお薦めできます。

高級付け下げ [正絹未仕立て] お茶会

瓶覗色…いわゆる水色にグリーンやグレーが混ざった感じの綺麗なお色です。柔和な感じで、おとなしめな雰囲気です。柄行は、松と笹と紅葉という古典調で上品にまとめてございます。流行りに惑わされることなくお召いただけるので重宝いたします。お色からみても単衣向きと言えます。※帯はイメージ

特選西陣織袋帯【京藝謹製】「謹上之帯令和・百の吉祥文様尽くし」正装・略礼装

名門帯屋ならではの自信作です。百の格調高い吉祥紋を織りなした「吉祥百宝図」と長寿を願う寿をかくした「かくれ寿松文」を一本の帯に織りあげました。全く雰囲気の違う吉祥文ですので一本の帯で二タイプ楽しめます。一つは色々な色の糸を使っていますので無地でも色々なお色が選べます。付け下げや訪問着に合わせても、留袖、色留袖に合わせても上品にお召いただけます。お慶びの席などでしたら、この上ない後姿を演出して頂けます。 全てのフォーマルな着物に合わせられる重宝されるひと品です。

こちらですと、両方の付け下げ下げにあわせられます。重宝する帯です。

4. 気軽なお茶会での着物選び

気軽なお茶会にふさわしいのは、柄のある小紋や紬。秋の草花を描いた飛び柄小紋や、シンプルな幾何学文様の紬などは、おしゃれでありながら控えめで好印象です。

帯は名古屋帯を合わせるのが一般的。単衣の季節には、博多織の張りのある帯や、少し落ち着いた色合いの染め帯がおすすめです。柄合わせに迷ったときは、季節を映す文様を意識すると失敗が少なくなります。例えば、菊や萩、すすきといった秋草文様はこの時期にぴったりです。

帯結びは一重太鼓が基本ですが、少し遊び心を加えて角出し風に結ぶのもおすすめ。茶席での動きやすさを考えながら、ほどよくおしゃれに仕上げることができます。

秋の名古屋帯おすすめページリンク

特選西陣織九寸名古屋帯【白綾苑大庭謹製】「源氏香に秋草文様」

白綾苑大庭の九寸名古屋帯は、名古屋帯といえど重厚な感じを受けます。柄は源氏香と秋草で9月の単衣からお締め頂ける名古屋帯です。しゃれ感もあり流行に左右されない古典柄ですので長くお締め頂けるときもの通のお客様からも定評があります。 帯あわせのむずかしい、加賀友禅のきものや、東京染江戸小紋などに対応してくれる、まさに上質な一品です。

今年は暑いですから「秋」はどのくらいあるのか分かりませんが雰囲気だけでも季節を感じるというのはとても大切なことと思います。

そして日本人で良かったと思えるひと時と言えるでしょう。

今日も6月に納めさせていただきました絽の江戸小紋にむらたやでお求めになった麻の名古屋帯を結ばれて家族でランチにお出かけになられたお写真を拝見させていただきました。素敵に着こなされて、とても涼しいとお嬢様はおっしゃっているようです。(さすが正絹の着物)お召しになられた江戸小紋も私どもが扱わせていただいている富田染工場の特注品です。富田社長とお嬢様とがお会いになられて
お嬢様のある程度のコンセプトからお勧めした柄とお色で染めて頂きました。
生地も絽ですので任せました。

お仕立てはこちらで上手な仕立て屋さんに出しました。

かなり気に入って頂きましたのでこういうパターンもありなのかもと考えさせられました。気に入ったものを手に入れたい時代。
幾らお値打ち品でも気に入らなければ欲しくない場合もございます。
すべてがそれでまかり通りませんが、お客様には選択肢を増やしておいた方が
喜ばれるのかと勝手に思った次第です。

こちらは
江戸小紋(正絹・未仕立て)【家内安全柄・薄紫色】

生地はもちろん高級浜ちりめんを使用しています。
型彫り、染め付け、全ての工程を手作業で行っているため、
着物になってお召し頂いたとき、色の濃淡が微妙にあらわれ
深みを感じます。シンプルな柄行きゆえに、帯のとりあわせも
幅広く、合わせる帯によってお茶席からお祝い事、また観劇や
お友達とのお遊びにとTPOの広さでは大変便利なお着物です。
また柄の中に細かく「家内安全」という文字が美術的にアレンジされた
お品でございます。

5. 初心者のための実用アドバイス

お茶会に慣れていない方にとって、一番気になるのは「着物を着て失敗しないかどうか」でしょう。茶道は立ったり座ったりの動作が多いため、着崩れしにくい着付けが大切です。腰ひもをしっかり締める、衣紋を抜きすぎないなど、基本を押さえるだけで安心感が違います。

また、移動や会場での持ち物にも工夫が必要です。草履は履き慣れたものを選び、バッグは小ぶりで品のある和装バッグを。季節によっては羽織や道行も活躍しますが、単衣の時期は薄羽織やストールを合わせると軽やかです。

茶席では「目立ちすぎないおしゃれ」が好まれるため、あえてシンプルにまとめることも大切です。初心者の方は、まずは落ち着いた小紋にシンプルな帯で十分。徐々に柄や色で季節感を取り入れていくと、自然に上級者らしい着こなしになっていきます。

おとなし目の小紋ですが飛び柄小紋で格があり上品です。
帯も格のある帯ですのでさりげなく、

目立ちすぎずに上品にお茶席には適している雰囲気です。

小紋:正絹小紋 京染め[紋意匠に縦に唐華文様] 
名古屋帯:特選西陣織九寸名古屋帯【となみ織物謹製】「九百佐賀錦」

正絹紬【板場友禅】|上品で華やかな社交着におすすめの着物
名古屋帯

紬は着る人の個性を表現できる普段着であり、とてもお洒落な着物。蚕の繭から引き出した糸に撚りをかけて織るのが紬。その手法には「先染め」と「後染め」がありこちらは後者の後染めです。このお品は黒地に四季折々の花柄模様(唐華)が白抜きで施されているように型染めされてございます。とても手間のかかったお品です。おしゃれに、粋にとお召しになる方の雰囲気に合わせて帯も名古屋だったりしゃれ袋だったりと色々と楽しめます。

こちらは名古屋帯を合わせています。
特選【西陣織 九寸名古屋帯】都 謹製「唐草に松竹梅 六通」 
都 謹製「唐草に松竹梅 六通」– 上品で格式ある和装アイテム しなやかに織り上げられたオフホワイトの帯地に、伝統的な「松」「竹」「梅」の図柄が唐草模様の上に美しくあしらわれた特選九寸名古屋帯【都 謹製】です。
西陣織の伝統技術を駆使し、上品で格式高いデザインに仕上げられています。
この名古屋帯は、お茶席、観劇、会食など幅広いシーンで活躍し、上質な和装コーディネートを実現します。
特に「松竹梅」という縁起の良い図柄は、おめでたい席や慶事にも最適。
軽くしなやかな風合いで、お召しになる着物に合わせて雰囲気を自在に変えられるのも魅力です。
西陣織の魅力 – 日本伝統の美と職人技 この九寸名古屋帯は、西陣織の伝統技術により、上品でありながら高級感のある風合いを実現。
格式ある場面でも安心してお使いいただける品質で、長く愛用いただける逸品です。
日本伝統の美と職人の技が詰まった名古屋帯を、ぜひお手元にお迎えください。

お出かけの際には羽織や道行コートをお勧めいたします。
こちらはお仕立て上がりの羽織です重宝するお品です
お仕立て上がりですので大きめに仕立ててございますのでお直しが必要に
なりますが、それも可能です。

スリーシーズンのコート(真冬以外)奄美大島本泥染技法

こちらは、伝統美を保つ奄美大島の泥で彩り、我国古代の染色技法を今日に伝える唯一の民族的文化財であり、染色、風合いは、他の織物に見られない優れた特徴を持って居り、確信を持ってご推薦できるお品です。

(衿の形は道中着がお勧めです)

 

6. 上級者のためのおしゃれコーディネート

着物に慣れてくると、少しずつコーディネートにも工夫を凝らしたくなります。単衣の洒落袋帯や、シンプルな無地に映える染帯などを取り入れると、より洗練された印象に。

たとえば、無地の御召に手描きの染帯を合わせると、茶席らしい上品さの中に個性を演出できます。色合いも、夏の淡いトーンから、紅葉を思わせる朱色や栗色、深緑などに変えていくと、秋の茶席にふさわしい雰囲気が漂います。

茶道は「控えめなおしゃれ」を楽しむ場。派手すぎず、でもさりげなく季節を取り入れる――そのバランスを探ることこそが、着物の醍醐味と言えるでしょう。

高級訪問着 正絹[絞りと花染め・大㐂百花]

NHKの大河に衣装提供をしている 青柳 謹製 の品です。それぞれの技術に逸脱した方々が伝統を受け継ぎ、情熱をもって自然の息吹を積み重ね一枚のきものに仕上げました。紋意匠に様々な技法の絞りを巧みに使い描いた柄は、さすがとしか言いようのないお品です。染と絞りと手描きと箔と刺繍の技をご堪能下さいませ。

7. まとめ ― 季節を感じながら少しずつ

夏から単衣への移ろいは、着物にとって最も表情豊かな時期のひとつです。涼やかな夏の素材から、しっとりとした単衣の生地へ。帯や小物の色合わせを工夫するだけで、季節を感じるコーディネートが完成します。

お茶会に参加することは、着物に親しむ大きなきっかけになります。最初は気軽なお茶会から始め、少しずつ装いの幅を広げていくことで、茶道と着物の両方を長く楽しむことができます。

「着物は特別な日だけのもの」ではなく、日常の延長として気軽に纏えるもの。単衣の季節は、その第一歩を踏み出すのに最適なタイミングです。ぜひ、自分らしい一着と帯を見つけて、この秋のお茶会に臨んでみてください。

※お抹茶をお客様にお出しした時のお話
インバウンドの関係でいつも買っているお茶屋さんでお抹茶がすぐ手に入らないと
お聞きしました。
事実かどうか?むらたやのお抹茶がなくなりましたら尋ねてお聞きしてみようかと思います。いつも買っているお茶名は京昔。お濃い用ですがそれをお薄にして飲んでます。美味しいです。