着物の部分名称とお薦め夏のきものと帯

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きものについての常識語として呉服屋さんや仕立て屋さんが使っている言葉
私共は当たり前のように使っていますが、ご存知でない方が多いのではとの
ご指摘を受けましたので、まとめてみたいと思います。

※すべてを書き記すことはできませんので抜粋しています

 

【寸法を測る時の重要視】
着物を仕立てる時に襦袢と着物の裄が合わないといけません。
裄は、肩幅と袖幅を合わせたものを言います。
襦袢と寸法が同じでないといけないのは、肩幅です。
着物の袖幅は、襦袢の袖幅より2分くらい長いです。

ヒップやバストの寸法で前幅や後幅が決まります。
(若いころの着物で着物の重なる部分が少ないとはだけます。そんな時は幅だし
をされると着用可能となります。)

【着物の部分名称】
裄=袖幅+肩幅(図の通り)
裄(ゆき)    着物の背縫いの最上部から肩先を通り袖口までの寸法
前幅       前身ごろの裾の幅。
後幅       後ろ身ごろの裾の幅
袖丈       袖山から袖下までの長さ
袖付け(袖付き)   袖と身頃が接続する部分のこと
繰越       着物の衿を抜いて着るために必要な部分
身丈       和服の身頃の長さ。測る時肩から又は背からで長さが変わる
衽(おくみ)    身を置くので、置く身が衽になったようです。概ね四寸幅と
決まっていますが、その方の体型によって多少変化します。
ふき       袷の場合、袖口や裾に表から少しのぞいている部分。
「ふきかえし」という意味。袖口や裾が痛まない為にある
         袷の場合の袖口・裾に八掛が少しのぞいていることをさす。身八口      元々発汗作用の多い子供の為にできた脇の口が始まりですが、
八枚に裁ち分かれた身頃と袖をしっかりと繋いでいる場所。

※夏は、この身八つ口から入る風が胸と背中にまわり涼しく、冬はここの空気が
暖まる。身八つ口で身幅の調整をしたり、手を入れて衿元や、脇の始末をします。
若い方は帯を上めに結ぶので袖付きは短め。帯を下目に結ぶ人は袖付けをよくとり
身八口が余りあかないようにすると上品に着こなせます。(5寸5分~6寸くらい)

こちらは、気軽に着れる綿紬です。
これからの季節に絽の帯と合わせてどうぞ

半幅の帯で合わせても宜しいかと思います
博多織紗四寸単帯【井上絹織謹製】

夏の着物 小千谷ちぢみ(麻)

清涼感があります。お色も綺麗ですので夏にはぴったりのお着物です。
お稽古に普段使いにどうぞ。暑い夏でも涼し気に見えますし上品です

こちらはお色が紺です。濃いお色ほど透け感が良く分かり、夏の白い
お襦袢が透けるところが涼しそうに感じさせます。

こちらの絽の名古屋帯と合わせたらいかがですか

夏・西陣織九寸名古屋帯【佐々木染織謹製】

夏・西陣織九寸名古屋帯【京都イシハラ謹製】

夏<横絽>・西陣織九寸名古屋帯【京都イシハラ謹製】

 

帯の格について

投稿日:

【フォーマルなお席】☆染の着物に織の帯
【カジュアルなお席】☆織の着物に染の帯 と言われてございますいます。

そして、帯にも格がございます。

「丸帯」→「袋帯」→「九寸名古屋帯」→「京袋帯」→「八寸名古屋帯」
「小袋半幅帯」→「単衣半幅帯」などがあります。
第一礼装の最も格の高い帯が丸帯です。織がしっかりした生地に(表裏ともに
同じ生地と柄)芯地を入れて仕立てるため、重さは3キロ程度になります。
大変重いうえに締めにくく、気軽に締めるには難しい帯です。現在、婚礼衣装の帯が
この丸帯です。

〖こちらは、母の婚礼衣装の帯です〗

丸帯は表と裏が同じ生地同じ柄で仕立ててあります。
(幅広で織り上げてあり、それを合わせて芯を入れて仕立てます。)

 この丸帯を少しでも軽く締めやすいように生まれたものが、現在の袋帯
になります。半分の幅の生地に無地の別裏地をあてて仕立てるため、軽くし
なやかになり、価格も抑えられるようになりました。

丸帯は、現在では花嫁や芸者の装いなどにしか使われなくなっています。
しかし、黒留色留などの礼装や華やかな訪問着、お茶席向けの付け下げ、
江戸小紋などに合わせることも可能です。

袋帯は、帯の中では比較的歴史が浅いものですが、結婚式や披露宴、お見合い
お茶席、入卒の式典などのフォーマルな場面でも用いられています。

丸帯を少しでも軽く結べるように半分の幅の生地に無地の別裏地をあてて
仕立ててございます。


袋帯の中でも格が上なのは
※格調の高い色柄の織の袋帯(有職文様、正倉院文様、吉祥文様)で金糸銀糸
を織り込んである帯

帯清謹製 松竹梅に四季の草花文様
となみ織物 人間国宝・大場松魚「平安花鳥段重」

 

礼装用や準礼装などに合わせる帯として
※格調の高い色柄の織の袋帯(有職文様、正倉院文様、吉祥文様)で
金糸銀糸を織り込んである帯

西陣まいづる 裂取り花樹獅子文

 

※華やかな色柄の織の袋帯(金糸銀糸をはじめ多彩な色糸で模様を織り出し
た華やかな帯)

となみ織物 優彩正倉院華文
白綾苑大庭の帯

 

※モダンなデザインの織の袋帯(幾何学文様、抽象的文様、現代的な印象の帯)

となみ織物 奥田小由女の世界

織悦謹製 「ルーマニア立菱縞文・有悦織り」

泰生織物 水衣錦 ペルシャ小花紋 

 

TPOによりますが、格調のある柄の「名古屋帯」でしたら、付け下げ、無地
あたりですと結ぶことができます。訪問着になると、二重太鼓の方が宜しいか
と思いますので袋帯が好ましいと思います。

格のある九寸名古屋帯

※格調の高い色柄の織の名古屋帯(有職文様、正倉院文様、吉祥文様)で
金糸銀糸を織り込んである帯

となみ織物 九百佐賀錦・市松に松竹梅と四季の花

 

となみ織物 九百佐賀錦・唐華文様
藤原織物 紹巴・ぶどう笹蔓文

 

※華やかな色柄の織の名古屋帯(金糸銀糸をはじめ多彩な色糸で模様を
織り出した華やかな帯)

泰生織物 ブルーの唐華文様

 

※モダンなデザインの織の名古屋帯(幾何学文様、抽象的文様、現代的
な印象の帯)

桝谷高尾謹製 針ねん金名古屋帯彩りの冒険

小紋や紋なし無地、紬、東京染め小紋等に合わせます。
ただし、帯の柄によっては付け下げに合わせることもできます。


格のある八寸名古屋帯

安藤織物 織成袋なごや帯

織はつづれの一種です
この織物は、組織が綴れ織りの一種であり特徴として横糸は生地の端から
端まで貫かず必要な部分だけを手織で縫い取ります。これは、京・西陣
でも希少の技法です。
お勧めは、紋付無地、付け下げ、江戸小紋などに合わせて下さい

※本綴れの帯は、金糸銀糸が使ってありフォーマル感があれば、留袖にも
結べると言われています

本場筑前博多織物 協和織工場 

 

染帯


濱ちりめん  「特選八千代縮緬」

こちらは、サイトには載せていません。
お問い合わせは下記より宜しくお願い申し上げます。

遠慮なくどうぞ(#^.^#)

 

 

 

 

 

 


※モダンなデザインの織の名古屋帯(幾何学文様、抽象的文様、現代的な印象の帯)

※趣味的な色柄の織の名古屋帯
※趣味的な色柄の染の名古屋帯

紋について

投稿日:

先日の話、「着物のクリーニングを出そうと思い箪笥をあけたら違う紋のお着物
が数点あったの。どうしよう。」というご相談がございましたので家紋について
まとめてみることにしました。

家紋とは、定紋とは別に家によって、数個の紋をお持ちの場合がございます。
そのうちに使う紋。いわゆるその家に代々伝わる紋のことです。

 

【家紋について】
家紋をひとつとっても格の違いがございます。
紋の数が多いほど格が高くなります。

背中心(背紋)に一つだけある「一つ紋」。
背中(背紋)とさらに両袖(袖紋)にある「三つ紋」。
又、さらに両胸(抱き紋)があるのが「五つ紋」。と呼ばれています。

また、紋の入れ方にも種類がございます。
〇染抜き紋

〇縫い紋

〇貼紋

【染抜き紋】

第一礼装の場合(黒留袖、喪服)は、紋の中を全て抜いた「日向紋、
別名:陽紋という」紋を付けるのが決まりです。
(前に二つ後ろに三つ合計五つの紋)

日向紋(陽紋・表紋)とは別に染抜きの「陰紋(裏紋)」がございます
日向紋の略式という扱いで格は下です。
訪問着や無地に入れてお茶席やご友人の結婚式などに参加できます。
又、分家が本家に配慮して家紋を陰紋をする場合や目立ち過ぎず控えめにしたい
場合に陰紋にされる場合がございます。

 

日向紋

陰紋

陰紋は、準礼装の訪問着や色無地につけることはできます。

 

【縫い紋】
細かい糸で模様を付ける「刺繍」によって紋を表現した技法です
縫い紋の中には、大きく分けて
☆ケシ縫い「針目と針目の間隔が等間隔になるように縫う」

☆マツイ縫い「細い一本の線のように縫っていく方法です。」
(ケシ縫いより、より強調した感じとなります)

☆スガ縫い「生地の織り目に合わせて縫い目を横に流す縫い方」

他にも縫い紋として用いられている縫い方もございますが、大きく分けると
こんな感じです。私どものあたりでは、ケシ縫いが多いですが、一般的には
マツイ縫いが無難ではないでしょうか。
スガ縫いは、刺繍の訪問着などにお薦めです。

※サガラ縫い、ゴマ縫い、スガボカシ縫い、ジャバラ縫い、加賀紋、花紋など

抜き紋で家の紋と違う紋が入っている場合ですが、手をかけると紋を変える
ことができますが、そこまではと言われる方にお勧めが
【貼紋】です。
多少生地との凹凸がございますが。遠目からは、分かりません。ただ、出来
栄えについてですが、出したところの方の腕にもよります。
以前、京都に貼紋を出した時と、ここ島根の紋屋さんに出した時が重なった
ことがあり比べることができました。
はるかに、私共がいつもお願いしている島根県の紋章店さんの方が上手でした。

そこは、職人さん気質ですの対応に気を遣う場合がございます。
しかし、さすがプロということが以前ございました。
数年前のことですが、お客様から紋の画像を頂きそれを付けてお送りして
書文(喪服)を入れて頂こうとした時の話です。
画像は「鉄砲菱に橘」と思ったんです。しかし、紋屋さんは、「菱じゃなく
角じゃないかね。(斜めからとってあるから)」と聞かれました。
大至急お客様に問い合わせたところ「紋の名前は分からない」というので、
事情を話し橘をかこっているものが菱型なのか正方形なのかをお聞きしたら
少し上向きに撮ったから菱に見えたけど正方形、角ですとおっしゃられたので
無事に紋を入れて納めることができました。

鉄砲菱

こちらは、平安紋帳にのっています

こちらが正解だったんです

鉄砲角

こちらは、平安紋帳にのっていません。

職人肌の紋章店さんですので「おかしい」と思えばはっきりとおっしゃってくださいます。そこが信用がおけるところです。

【無地付け下げの着物】

かたくりの付け下げ調地紋入り
こちらの着物にも紋を抜き紋、縫い紋どちらを入れても宜しいかと思います
抜き紋ですと縫い紋より格が上がります。(背中に一つ紋)

白生地ですと抜き紋で染めれば良いのですが、既に染められている着尺は
抜こうと思ってもうまく抜けなかったり、抜いた所のお色と他所のお色が
年数が経つうちにお色の変化が出る場合もございます。

無地のお色が濃くてキチンと抜けない場合は、粧平紋という技法がございます。
生地に直接紋を書きその紋の中を白の樹脂ですり込んで描く方法です。
すり込み紋は、生地に家紋の型枠を使い、絵の具のような素材を摺り込んで
いきます。
例えば、男の子ののしめで石持のない色物ののしめなどは、すり込み紋となります。
逆に石持のあるのしめや喪服(予め白く抜いてあるものを石持という)は、石持の白地に筆で紋を描きます。(私共は書紋と言っています)

紋一つをとっても色々とございます。分からなくて当然です。そんな時は最寄りの
呉服屋さんにご相談下さい。すぐ分からなくとも必ずご理解できるようご説明くださいます。それが私共の務めと思っております。

余談ですが、
地域によっては、「女紋」といって女性の方の個人の紋をお持ちのお家も
ございます。

【女紋】
〇母から娘へ、そして孫へと伝える母系紋で、ご実家の紋とは違います。
こちらは、代々女性がに受け継がれていきます。
主に西日本に多いと言われています

 

しきたりと装い~礼装~

投稿日:

今回は、結婚式の装いについて書きたいと思います。

現在は、結婚式を延期という方、細々でも一区切りされたい方
色々です。
最も、結婚式は時代によって変わってきています。
だから、装いも多少は変わりつつあると思います。

【祝儀の場の礼装】
祝儀の場ですから、おめでたい柄、華やかな装いを心がけている
と思います。
例えば、
☆ホテルの結婚披露宴に列席される場合
紋付の訪問着や色無地がお勧め

☆主賓などの重い立場
色留袖が宜しいかと思います

☆最近増えているレストラン形式のウエディング
基本は同じですが、あまり格式ばらない会ならば、少し軽い装い
例えば、軽めの訪問着や付け下げ、華やかな小紋でも宜しいかと
思います。その場合の帯合わせ、小物合わせは必ず祝儀向きにし
ましょう。
新郎新婦のお母さまでしたら、黒留がお勧めですが、カジュアル
な会場で黒留は少し重いと感じられるならば、色留袖でも宜しいかと
思います。
このような場合、ご両家で話し合われてお決めになられ足踏みを揃え
た方が宜しいです。

黒留袖

訪問着

振袖

色留

色留袖

【礼装の時の祝儀扇】
扇は、末広がりの形から、「末広」ともよばれています。祝儀のお席では
礼装の小物として祝儀扇は必需品です。黒塗りの親骨に金銀の地紙を張った
ものが一般的です。
挨拶をする時は、手に持ちそれ以外の時は前帯のの左側にさしておきます。
黒い骨の祝儀扇はフォーマルな着物全般に使えます。
白い骨の祝儀扇は、色留袖、訪問着などに用いますが、黒留袖には使えません。

格式ばらない披露宴ならば、祝儀扇だけでなく、艶やかな末広をコーディネート
されても宜しいかと思います。
カジュアルな着物には、アクセサリー感覚で自由に合わせて楽しんでみては
いかがですか。

※茶扇や喪服扇は、他の用途には使えません

【伊達衿について】
古くは、きものを重ねてお召しになることで、改まった装いを表現しました。
その名残が、礼装である留袖の比翼仕立てです。さらに簡略化したものが
衿比翼(伊達衿、重ね衿)です。
今は、振袖、訪問着、色無地などの晴着に、華やかさを添えるものとして
使われています。
※一般に紬などの街着には用いません

【礼装用お薦め袋帯】

改元記念謹上之帯 『令和』 京藝謹製

百かくの格調高い吉祥文を織りなした「吉祥百宝図」と長寿を願う寿
をかくした「寿松文」を一本の帯に織なしました。
※こちらはネットには載っておりません

特選西陣織袋帯 『人間国宝・大場松魚の世界』となみ織物謹製

「平文花鳥段重」空想上の鳥とされている鳥が織り込まれていて
段重ね中に金・銀と優しいグリーン色と気品あるパープルの糸で
それぞれの文様を施しています。

特選西陣織袋帯『藤原織物謹製』「正倉院文様尽くし」

クリーム地に優しい色使いの吉祥文様を施してある格の高い袋帯です。
忍冬や立湧くに華文、笹蔓、小葵や波を工夫して施してございます。

特選袋帯『河村織物謹製』「本手織りの逸品 河村つづれ帯」

帯の手織り職人さんにより、丁寧に織りあげ等レ他フォーマル向けの
袋帯です。 橫段の中におめでたい正倉院の唐草模様の柄が品良く配置
されています。機械織りではなく、職人さんの手織りなので、そのしな
やかさは抜群です。

お薦めコーデ~無地付け下げと袋帯

投稿日:

結婚式 それは女性にとって一大イベントです。勿論親御様にとっても
大切な一日です。
簡単でいいと思われる方、きちんとしたい方。それぞれのお考えがある
ようです。

これは、先日のお客様のお話です。
男性の方から「着物と袴をみてもらいたい。」と連絡を受けましたので、
てっきりお嬢様の着物と袴のクリーニングと思っていましたら、ご本人
様のお着物で寸法が合うだろうか見てもらいたいとの事でした。

大島のアンサンブル、紬のアンサンブル、黒紋付の羽織2枚、袴を2枚を
持ってこられました。
お話をお聞きするうちに、ご子息様の結婚式が10月にあるというので、
箪笥から黒紋付と袴を探していたご様子。黒で紋がついていたので、持
参されたとのことです。

取り敢えず羽織って頂きました。小々裄が短いようでした。
体型も変わらたご様子。まして、昔の生地の幅は今より短かったので
尚更です。
ただ、長年箪笥で眠っていた割に状態が良かったので、クリーニング
だけで済みました。

「羽織と袴があるという事は、着物と襦袢も必ずあるはずです。探し
てください。その方が金額も安く済みますので・・・・・・」とお伝えした
ところ
次の日、「来たよ。」といいながらニコニコしながら持ってこられました。

黒紋付の羽織と着物はクリーニングに出し、襦袢はクリーニングから戻って
半襟を白に替えます。羽織ひもはさすがに黄ばんでいましたので新品を注文。
足袋もお求めになられました。

他のものはこまごまと直しがいりますが取り敢えずは、結婚式に出席する
きもののご用意ができて安心されたご様子でした。

お一人様の対応でもお時間が掛かってしまいますが、喜んで頂けるのが何より
と思っております。

【今日のお薦めコーデ】

東京友禅 坂井教人作 「かたくり」 グリーン

東京友禅 坂井教人作 「かたくり」 ベージュ

西陣織の袋帯を合わせてみました。

東京友禅の無地付け下げの「坂井教人作・かたくり」

違うタイプの帯を合わせてみました。

東京友禅のこちらの反物は、裾、袖の裾に「かたくり」の柄を施してあり
全体的にはすっきりと見える上品なきものです。
お茶席などや入卒などにお召しになられても宜しいと思います。

東京友禅作家の坂井教人さんは、具象的なデザインが多く糸目友禅が主体です。
モチーフは「かたくりの花」「水芭蕉の花」などです。
合わせた帯はどちらも西陣織物です。

まだサイトには載せておりません。

着物(無地付け下げ)198,000(税抜)⇒99,000(税抜)です。

伝統工芸士 蔦屋久兵衛の「蔦」シリーズの帯

投稿日:

本日は、袋帯のご紹介です。
こちらの帯も前回同様、「ネットには出さないで下さい」との条件で
仕入れをしました。

せめて、ブログ等でのご紹介をと思い昨日写真を撮りました。

伝統工芸士 蔦屋九兵衛 4代目 作「蔦」
西陣織物証紙番号  №.979 小倉織物(蔦屋久兵衛)

明治25年に小倉捨吉さんが初代蔦屋久兵衛に襲名されました。
こちらの作品は4代目蔦屋久兵衛の作品です。

昭和初期、三代目蔦屋久兵衛は、龍村平蔵氏の仕入れ機として様々な織物の
研究に関わっておられました。その当時の資料や紋図を元に復元させた織物が
四代目蔦屋久兵衛の代表作「蔦」シリーズです。

その中の数点を仕入れさせて頂きました。その中の残りお一つの柄の袋帯です。

こちらですと、江戸小紋、とび柄小紋、無地や付け下げに合わせることが
できます。
斉藤三才のぼかしの無地で合わせてみました。

絹の風合いを生かし、落ち着いた色彩をしっとりと上品に染め上げ、慶弔どちら
でもお召いただける着物となっております。
こちらの無地ぼかしはあと二タイプございます。引きぞめ手ぼかしですので
同じ配色であっても位置が変わりますので世の中に二つと無いお品となります。

少し地味目なお着物でも粋な感じになる袋帯です。

蔦屋久兵衛の袋帯は、お電話もしくは、こちらよりお問い合わせください。
初代斉藤三才の無地ぼかしは、まだネットには出しておりません。
詳しいことがお知りになりたい方もこちらよりお問合せ下さいませ。
お返事、ご対応させて頂きます。

こちらは、帯を(旧)高島屋呉服店、現在の高島屋百貨店が依頼して作った
という証拠のようです。

これからは、コロナ禍で今からどのような時代になるか、私どもの選んだ
着物をお客様がどれだけ好んで頂けるかが試されているのだと肝に銘じて
精進させて頂きます。
よって、まだまだSALE続きますのでよろしくお願い申し上げます。

着物のカビ予防のための企画~単衣の着物と帯

投稿日:

先日、お客様とお話をしていたら、

「どうしても喪服がカビになっちゃうのよね。シミにもなるし。」
「どうしたら良いのかしら。」「やはり虫干し?」「面倒よね」
「でもいざという時出したら着れないなんて嫌だし、せめて喪服ぐらい自分で
着れるようになっておきたいじゃない。」

等々。

そこで、「着物のカビ予防のための着方教室」を考えました。
普通の教室は、何処もされていることと思います。
(以前はむらたやでも行っていました。)
今回は、着方を習いたいのではなく、
「着れるけどわざわざ家で着物を出して着ないわ。」
「帯が少し不安。ちょっとアドバイスが欲しいわ。」
などと各々が教えあって談笑して気分を変え、着物のお手入れの代わりに
着物を着てみましょう。という会です。着物は何を持ってこられてもOKです。

とにかく、箪笥から着物を出してみることから始めてみましょう。
そして、ご自身で着る勇気が出ればその時に皆様で「ランチ」というのも
良いですよね。

「着物を着る機会もない。」「せめて喪服ぐらいは自分で着たい」
「我流だから、みんなの着方を見てみたい」というご意見の元
お教室ではなく着物を着て風を通しカビ予防をしましょう。
先生は各々が先生です。場所だけ提供しますという企画です。
勿論、経験のない方でも大丈夫です。

(やはり、ソーシャルディスタンスを考え1日5名まで、と考えております。)

箪笥に仕舞ってある着物をカビ予防のために着てみませんか。

 


ここからは、お薦めの着物と帯です。
夏物にはちょっと早いかもしれませんが、絽の無地と夏の袋帯のご紹介です。

【夏用の色無地と袋帯】

【夏の付け下げと袋帯】

合わせている帯は
夏・特選西陣織袋帯【大光織物謹製】「華唐草文様・六通」 

アイボリー色の地が変わり織りで織られていて涼しさを感じさせます。
松・梅・桜・菊の模様化した図柄に垣根と波や七宝が施されています。
上品にまとまっていますので夏のお茶席、六月や九月のお茶席にも結ぶこと
ができます。こちらですと、無地から上のお着物に合わせられます。
また、合わせやすいという事です。ご覧の通り色合いの違うお着物ですが
結構しっくりきています。

 

【単衣向き小紋と名古屋帯】

京染め[唐織紋意匠に葵文様・薄クリーム色]
特選西陣織九寸名古屋帯【白綾苑大庭謹製】「小花色紙紋・六通」

京染め[江戸五嶋紐監修・ライトパープル色]

合わせている帯は
西陣織袋帯【弥栄織物謹製】「更紗丸華文・スリーシーズン袋帯」

 

※喪服について

私どもの地域は、嫁ぐときに家の家紋をいれるのが主流です。
地域によっては、おんな紋を入れられる方、嫁ぎ先の紋を入れる方
諸事情で、家紋が嫌だからご自身が作られる方色々です。

お客様が、おっしゃられる言葉は、「喪服着ないから」「その日は忙しい
から着ると大変でしょ。」「娘は全く興味がないから。」等々
正直、寂しい気がします。

実際、喪服はお道具ですが、ご自身の御守りなのです。「五つの紋」は、
ご先祖様やご両親をあらわしていて、いつまでもお嬢様を御守りするという
意味がございます。
だからこそ、女性が紋付の着物を作るとしたら「喪服」が一番といわれています。

よき風習は残していきたいです。それも我々の務めと思います。

 

 

綴れの一種「織成袋なごや帯」について

投稿日:

今回はある帯に注目して書きたいと思います。

【織成袋名古屋帯】
平織組織の紋織で綴れ織りの一種です。
本来、綴れ織りは緯畝の平織で、地を表す地緯糸を用いず、色緯糸を折り
返して織るためにハツリ孔を生じますが、織成は地緯糸と文様を表す色緯糸
の2種の緯糸を用いて交互に折るため緯畝やハツリ孔が見られません。
正倉院裂にもみられる技法です。

只今、サイトに載っている「織成袋なごや帯」は一点しかございません。
こちらは、新柄で落ち着いた感じの「桧垣柄」です。
私どもも今まで見た柄とは違っていましたので前回仕入れました。

こちらの問屋さんは、帯専門店で、良いものを買いやすいお値段にして
頂いていますので、今回も何かしら良い名古屋帯がないかと期待を込め
てお待ちしておりました。

色々とございましたが、やはり目についたのは「織成袋なごや帯」でした。

私どもの地域では難しい白地の市松文様ですが、かなり価値があるので是非
皆様にご覧いただきたくて仕入れました。
これからの季節を考えると結びやすい帯ではないかと思います。

検品をして送って下さるということですので、まだ手元にはございませんが、
写真は、撮らせて頂きましたのでご覧くださいませ。

きれいなお色ですのでこれからの季節に合う名古屋帯です。
綴れの一種で、八寸名古屋帯ですので仕立ては「かがり」のみです。

このタイプの黒地は配色を変えて二度ほど仕入れましたがかなり早い段階で
売れてしまいました。今は、こちらの技法で作られる方は、お一人で、それも
ご高齢ですので、「黒地は見えにくいから織れない」との事で最近は中間色が
多いようです。白地にきれいなお色を織り込んだ市松模様も本来なら織りにくい
でしょうが今のところは、何とか織って頂いているようです。
ただ、先ほども申しました通りご高齢のため数多く織ることができません。
だからこそ希少価値のあるお品です。

三月、四月、五月、六月にお召しになるお着物と合わせて結んで頂きたい
帯です。小紋はもちろんですが、色無地やしゃれた付け下げ、紬等に合わせ
てください。もちろん。九月の単衣時期も結ぶことができます。

本来ですと、七月、八月を除いた時期ですと結ぶことができるんですが、お色
から考えると十一月や十二月、一月、二月は少し寒そうな気も致します。
ただ、濃いお色のお着物ですとメリハリがつき、洒落た感じにされたいお着物
ならば、帯締め帯揚げを濃いお色にされて粋にも、上品な感じにも結べます。

こちらの江戸小紋などに合わせても素敵です。

江戸小紋(正絹・未仕立て)【つづみと束ね熨斗柄・緑色】

[江戸五嶋紐監修の京染めとび柄小紋・ライトパープル色]


こちらですと桧垣柄の八寸名古屋帯でも白地の八寸名古屋帯でもどちらでも
合います。

[紋意匠に葡萄と河骨枝丸文のとび柄の京染め小紋]

 


こちらですと白地の織成袋なごや帯をお勧めいたします。

[紋意匠に縦に唐華文様・京染め]

こちらは、桧垣模様が宜しいかと思いますが、上品にお召しになられるならば
白地の織成袋なごや帯でも素敵になると思います。帯締めを少し全体を締める
感じで少し濃いお色を持ってこられるとバランスが取れます。

色々と楽しめる品がよく、軽くて結びやすい帯です。

白地は近直入荷します。
その時はネットにアップさせて頂きます。
それ以前に色々とお知りになりたい方はこちらからお問合せ下さいませ。

又は、下記からのお問合せフォームからお問い合わせくださいませ。

 

立春~これからの着物と帯

投稿日:

~立春~
「春の気配が立ち始める日」
日本には、ご承知のように一年を二十四等分しています。
立春はその中の一つ。

小寒、大寒、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満
芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、零露、霜降
立冬、小雪、大雪、冬至
となります。

日本は、四季を大切されますので、工夫して楽しみましょう。

問屋さんから、風呂敷のカタログが届きました。
「めずらしいなぁ~」と思っていたら、むらたやが仕入れた
風呂敷のような大判のハンカチ(色々とつつめるタイプ)のブランドが
載っていました。

私どもも着物と帯だけでなく小物も少しずつ写真を撮ってアップしようと
昨年末から始めました。
まだまだ、点数は少ないですが、少しずつ写真を撮って載せていきます。
是非ご覧ください。

今現在、帯の写真の修正中です。袋帯なんですが、スリーシーズン用の
帯となっておりますので、大変軽い帯です。
楽しみにしていてください。

今日のお薦めきものと帯です。

春らしく明るい小紋です。

紋意匠生地に葡萄や河骨文と桔梗と唐草文様をバランスよく描き上品に
仕上げました。淡いパープルにグレーが混ざった地色でお茶席などに好
まれる小紋に仕上がっております。


花菱文様の紋意匠生地にグレーが入った淡いブルーのお色に『葡萄文様』
をとび柄で施してあり一部に染びったで描いています。

こちらの着物は小紋ですのでやはり名古屋帯を結ばれた方が宜しいかと
思います。

特選西陣織九寸名古屋帯【川島織物謹製】「お太鼓柄・ペルーの民族文様風」

帯地がベージュと生成りの中間どころで、どんな着物のお色にも合わせ
やすい帯となっております。所々にふっくらとした柔らかな質感の
モール織が施されていて、表情が豊かでオシャレな名古屋帯となってお
ります。江戸小紋やとび柄小紋、総柄小紋でお召し頂き粋におしゃれに
結んで頂きたい一品です。

特選西陣織九寸名古屋帯【となみ織物謹製】「九百佐賀錦」

「九百佐賀錦」と名をうつくらい華やかな感じの帯です。帯自体とても軽く
締めやすいく大変重厚感があります。お色を考えると、淡いお着物に合され
るととても素敵になります。

 

「どんど焼き」とお薦め小紋

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娘の通っていた幼稚園では毎年「どんど焼き」
をしています。
しかし、今年は取りやめなのではないでしょうか。寂しいものです。

日本では、古来大きな火を焚くことは、魔よけや世界を清浄にするための
大切な行事とされていました。それは、お正月やお盆に集中しております。
1月15日のどんど焼きの火にあたれば病気にならない。また、その火で焼いた
団子やお餅を頂くと「無病息災」でその年を過ごすことができると言い伝え
られています。
だから、幼稚園などではどんど焼きをされるのでしょう。
地域のつながりの強い所ではそのような行事を欠かさずされます。
逆に街中ではあまり聞かない話です。

では、「どんど焼き」とはどんな行事なのでしょうか?
それは、、小正月(1月15日)に地域住民が、わらや青竹で小屋ややぐらを
作り、持ち寄った門松やしめ縄などの正月飾りや御守り、お札などを燃や
す火祭りの行事で、地域によっては「とんど」や「左義長」とも呼ばれて
います。満月と神聖な日による浄化の力で集落の人々の一年間の災いを払
い、豊作や商売繁盛、家内安全、無病息災、子孫繁栄を願うものです。
ます。

今年は、少しでも数多くの行事ができることを願って
普段使いできる着物と帯のご紹介をしたいと思います。

京染め[唐花文・パステルグレー色]

モダンな地模様の上に、上品な花の柄が品良く施してある上品な小紋です。
お色は、グレー系ですのでお茶席にはうってつけのお品です。

合わせる帯としてこちらはいかがですか?
【小森織物謹製】「有職柄七宝に若松菱 六通」

こちらは、「若松菱」を施してございますので、おめでたい時に結ばれると
宜しい帯でしょう。とはいえ、今は身内だけの会(社中でとかお祝いの為
の会など)を周囲に気兼ねしながらなるべく簡単にでないと難しい時期ですね。
何とも寂しいです。

おめでたいと言えば、こちらの帯もお薦めです。

こちらは、さすがに小紋で気軽にとは言えませんが、かなりのお品で
お薦めの袋帯です。

【山城機業店謹製】「寿宝尽くし段文」

《能装束唐織》
能装束は、本来能楽を衣護した公家武家僧侶等上流貴顕の人々からの
拝領品を基として作られたものであった。それ故 それ等は有職文様の
金襴 錦を始めとして当時の舶載の一級品でありその中からさらに優れ
たもの相応しいものを採択して舞踊上の効果を上げるという努力がな
された。
また現在見られるような着用、着装の形式化は、能が徳川幕府の式楽
として制定されて以後であり役柄により装束にいくつかの種別化がな
された。その中でも三番髪物の女役が表着に着用する衣装が唐織であ
り能装束中最も華麗な物である。この様な能の幽玄美という価値の
追求の中から生まれたものが能装束唐織でありそれを応仁の乱以来
織技の面から支えてきた西陣の伝統を忠実に踏襲して帯という形で
制作されたものが本品である。~山城機業店記述より~

また色々と発信をさせて頂きますので、これからもよろしくお願い申し上げます。